日本政策金融公庫で創業融資を受けたいけれど、自己資金がいくらあれば審査に通るのか不安に感じていませんか。
この記事では、日本政策金融公庫の融資審査において重要視される自己資金の目安や、通帳のチェックポイント、自己資金と認められない見せ金の注意点について詳しく解説します。
この記事を読むことで、融資成功率を高めるための準備方法や、不足している場合の対策が具体的に分かります。
これから大阪府の茨木市や高槻市など、北摂エリアで会社設立や起業を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
【監修:税理士 大谷 響】

目次

1. 日本政策金融公庫の創業融資で求められる自己資金の基準

日本政策金融公庫から融資を受ける際、最も大きな壁となるのが自己資金の有無です。
この章では、公庫が定める公式な要件と、現場の審査で実際に求められる現実的な自己資金のラインについて詳しく解説します。

1-1. 制度上の要件と実際の審査で必要な自己資金の割合

日本政策金融公庫の新創業融資制度では、制度上の要件として創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できることと定められています。
しかし、実際に融資審査を通過した事例を振り返ると、10分の1の自己資金だけで満額回答を得るのは非常に困難であると言わざるを得ません。
実務上の目安としては、創業資金総額の3分の1から少なくとも4分の1程度の自己資金を準備しておくことが、安定した審査通過のラインとなります。
例えば、茨木市で飲食店を開業するために1,000万円の資金が必要な場合、自己資金が100万円だけでは公庫から残りの900万円を借りることは現実的ではありません。
この場合は250万円から300万円程度の自己資金を用意しておくことで、事業に対する本気度と準備の堅実さが評価され、融資の可能性がぐっと高まります。
制度上の数字だけを鵜呑みにせず、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
なお、融資制度の詳細は変更される可能性があるため、最終的な判断は必ず最新情報を確認してください。

1-2. 自己資金が多いほど日本政策金融公庫の融資額が増える理由

自己資金の金額は、日本政策金融公庫が融資額を決定する際のレバレッジの基準となります。
公庫側は、経営者が自らリスクを負って準備した自己資金の3倍から4倍程度を融資額の上限として検討する傾向があるからです。
実際に吹田市でITコンサルタントとして起業した方の事例では、コツコツと貯めた自己資金500万円を提示したことで、1,500万円の融資をスムーズに受けることができました。
逆に、どれほど素晴らしいビジネスモデルであっても、自己資金が50万円しかない状態で1,000万円の融資を申し込んでも、バランスが悪いと判断されて大幅に減額されるリスクがあります。
自己資金は単なるお金の多寡ではなく、起業に向けてどれだけ計画的に準備をしてきたかという経営者としての信頼そのものを示しています。
そのため、自己資金を1円でも多く積み上げることが、結果として大きな融資枠を確保することに直結するのです。
融資額の妥当性については、事業計画書との整合性が厳しく見られるため、最終判断は専門家に確認してください。

2. 日本政策金融公庫がチェックする自己資金の妥当性と準備方法

自己資金は、単に口座にまとまった金額が入っていれば良いというわけではありません。
日本政策金融公庫は、その資金がどのように形成されたのかというプロセスを非常に厳しく精査します。

2-1. 審査で認められる自己資金と認められない見せ金の違い

日本政策金融公庫の審査において、最も警戒されるのが一時的にどこかから借りてきただけのお金である見せ金です。
審査の直前に、出所不明の現金が数百万円単位で口座に振り込まれている場合、公庫の担当者はそれを自己資金とは認めません。
正当な自己資金と認められるのは、これまでの給与からコツコツ貯めた預金や、退職金、保険の解約返戻金など、出所が明確に証明できる資金のみです。
高槻市での相談事例では、友人に一時的に借りた300万円を自己資金として申請した経営者がいましたが、通帳の履歴からすぐに指摘を受け、結果として融資は否決となりました。
一度見せ金だと判断されると、虚偽の申請をしたとみなされ、その後の再申し込みも極めて不利になります。
お金の動きはすべて通帳に記録されているため、隠し通すことは不可能であると認識しておくべきです。
正直に現在の資産状況を提示し、不足分については別の正攻法を考えるのが融資成功への近道です。

2-2. 通帳の履歴から判断される自己資金の蓄積プロセス

日本政策金融公庫の面談では、通常半年から1年分程度の通帳の原本を確認されます。
公庫の担当者が通帳でチェックするのは、毎月の給与が振り込まれ、そこから生活費が引かれ、着実にお金が貯まっているかという点です。
例えば、毎月3万円ずつでも5年にわたって積み立ててきた180万円は、ギャンブルや宝くじで突然手に入れた180万円よりも、審査における評価は圧倒的に高くなります。
摂津市で美容室をオープンさせた経営者の方は、アシスタント時代から10年間の積立預金通帳を見せることで、自己資金額以上の計画性を高く評価され、希望額通りの融資を獲得しました。
逆に、家賃の支払いが遅れていたり、公共料金の引き落としが残高不足で止まっていたりする履歴があると、経営能力に疑問を持たれてしまいます。
自己資金を準備する過程は、同時に経営者としての金銭管理能力を磨く期間でもあると捉えることが大切です。
通帳の記載内容が不安な場合は、事前に専門家へ相談し、説明の仕方を準備しておくことをおすすめします。

3. 自己資金が足りない場合に日本政策金融公庫で融資を受ける対策

どうしても自己資金が目標額に届かない場合でも、諦める必要はありません。
日本政策金融公庫の審査において、自己資金として加味してもらえる他の要素や、戦略的な対策について解説します。

3-1. 親族からの贈与や資産売却を自己資金として活用する手法

自分一人の貯金では不足している場合、親や親族からの贈与や支援を受けることは有効な手段です。
これらは返済義務のない資金であれば、日本政策金融公庫でも自己資金に近い扱いとして認められるケースがあります。
ただし、単に振り込まれた事実だけでなく、贈与契約書を作成したり、親族の通帳の写しを提示したりして、資金の出所が正当であることを証明しなければなりません。
箕面市でカフェを立ち上げた方の事例では、自身の貯金200万円に加え、両親から贈与を受けた300万円を合わせ、合計500万円の自己資金として認められ、1,500万円の融資に成功しました。
また、所有している車や不動産などの資産を売却して得た現金も、売買契約書等の証拠資料があれば自己資金としてカウント可能です。
タンス預金のように、自宅で現金を保管していたと主張しても、公庫側は客観的な証明ができないため自己資金として認めてくれません。
必ず銀行口座を経由させ、記録を残すという基本を徹底してください。

3-2. 創業計画書の精度を上げて自己資金の不足をカバーする戦略

自己資金が少なめであっても、事業の実現可能性や収益性が極めて高いと判断されれば、融資が実行される可能性があります。
そのためには、日本政策金融公庫の担当者を納得させる、非常に精緻な創業計画書の作成が不可欠です。
特に、これまでの職歴や経験が起業する分野と密接に関連しており、すぐに売上が立つ見込みがあることを客観的な数字で示す必要があります。
豊中市でリフォーム業を始めた方の事例では、自己資金は必要額の5分の1程度でしたが、前職での顧客リストや受注内定書を提示したことで、即戦力の経営者であると認められ、満額融資となりました。
売上の根拠として、競合他社の調査データや、ターゲット層の動向を詳細に分析した資料を添えることで、自己資金の少なさを事業の将来性で補うことができます。
ただし、収益シミュレーションがあまりに楽観的すぎると、逆に信頼を損なう原因となるため、保守的な視点も取り入れた計画が必要です。
計画書の作成や売上予測の妥当性については、最終的な判断は専門家に確認してください。

4. まとめ|日本政策金融公庫の融資は自己資金の準備が成功の鍵

日本政策金融公庫の創業融資において、自己資金は審査の合否を左右する最も重要な要素の一つです。
単なる金額だけでなく、その形成過程や客観的な証明が求められることを理解し、計画的に準備を進めましょう。
  • 自己資金の目安:創業資金総額の1/3から1/4を準備することで、日本政策金融公庫の審査通過率と融資額が安定する。
  • 通帳の透明性:出所不明の見せ金は厳禁であり、毎月の積み立て履歴など計画的な資金形成のプロセスが評価の対象となる。
  • 不足時の対策:親族からの贈与や資産売却を活用し、精度の高い創業計画書で事業の将来性を証明することが重要である。

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